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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 女のスペース・ながおか』様新潟県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

虐待や性暴力・DV家庭で育った子どもと親のケア支援

概要

当法人では、活動当初から小さなシェルターを運営しています。そこに母と来所する子どもたちの姿を目の当りにして、何とかしたいとの思いはありましたが、人的・経済的資源が絶対的不足状況にあり、歯噛みする思いを抱えて活動してきました。ここで親と子どもをトータルに支援しながら、暴力や虐待の連鎖を断ち切っていくためのケア体制を作りたい。そのため、先ずは広く市民対象の啓発講座と当団体を代表する講師陣による支援者養成講座を開講し、協力者を増やしていきます。

中間報告
熱く語られる講師の話に聴き入る皆さん

中間報告

201709/21

NPO法人 女のスペース・ながおか 中間報告(2017年2月17日 現在)

[活動に至る背景]

当法人は「女性と子どものための相談支援活動」を展開して17年目となる。ここ数年の年間相談件数は1400件前後である。内訳は離婚・夫婦関係が55%、家族関係を加えると70%を占めるが、そこにはほとんど「子ども」の問題が絡まっている。子どもたちの様子を見るにつけ、子どもも一人の当事者として支援される必要があることを痛感する。一方で困難な道に踏み出した母親たちからのSOSも見過ごすことは出来ない。出来るだけ早い時期に、母子共にダメージやトラウマからの回復をはかることが、その後の親子関係の安定や社会適応力につながると実感した故である。

[活動状況]

2016年12月11日(日)に啓発講演会として、「子どもへの暴力防止-子どものこころに安心の芽を育てるために-」を講師に渡辺久子氏を迎えて開催。県内各地から53名の参加者があり、こころに深い感銘の輪が広まった。その折「-DVや虐待家庭で育つ・育った子どもと親へのケアと支援-」[3月5日(日)~6月25日(日)全8回]支援者養成連続講座の募集要項を配布し広報活動の一環ともした。現在[2月15日(月)]22名の応募者がある。講師陣は全国トップレベルの方々を招聘しており前評判が高い。また単コマでの受講希望の多かった「児童生徒への性暴力防止教育」を公開講座とした。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

事業全体テーマを「-虐待や性暴力・DV家庭で育つ又育った子どもと親のケア支援-」とし、広く社会に子どもや親の置かれている状況を知ってもらうことを目的に、先ず「啓発講演会」を開催した。講師の渡辺久子医師は、現在世界の乳幼児学会(LIHE DEVELOPMENT CENTER)の理事を務めておられ、長らく慶應病院の小児精神科医として子どもたちを見ておられた方である。参加対象を長岡地域に限るのはもったいないとの思いがあり、マスコミを通じて一般に呼びかけ、ネットワークをフル活用し、県内の支援関係部署や関係者への案内もした。その結果、上中下越からの参加が得られた。しかし、当日生憎の悪天候となり欠席者が出たのが残念であった。現在は本事業の目玉事業である「DVや虐待家庭で育つ・育った子どもと親へのケアと支援」支援者養成連続講座の準備中である。現在22名の受講者が決定しているが、広報活動続行中であり、問い合わせも続いている。連続8回の講座であり受講するにはそれなりの覚悟と見識が必要であることを考えると、申込者数としては評価できる数値である。また、単コマ受講の問合せがあり、しかし養成講座の趣旨を考えるとそれを受け入れることは難しい面もあるが、教育研修の機会として京都教育大学の関口氏の「児童生徒への性暴力防止教育」の1コマのみ公開講座とする事とした。時機を見て学校関係者等への公開講座用案内チラシを作成予定である。

  • 熱く語られる講師の話に聴き入る皆さん
  • 県内各地から多くの参加者が集まった
  • 関係機関へチラシ500部配布、好評募集中
終了報告
CSPプログラムの様子1

終了報告

201803/21

NPO法人 女のスペース・ながおか 終了報告

[解決したかった現状と課題]

当法人に寄せられるDV、夫婦関係、家族間の相談の中には、必ずと言えるほど子どもの問題が含まれている。生き難さを抱えたまま成人した子どものカウンセリングからは、やはり親との関係(虐待 性暴力 面前DV)が見えてくる。心に傷を抱え必死に生きる母子へ、総合的にケアと支援ができる相談員の養成が急務であると痛感している。手厚い支援による暴力の世代間連鎖を止めることで、子どもの安全・安心を守る社会にしたい。

[活動内容]

1.啓発、公開講座の開催 

2.支援者養成連続8回講座→①子どもと女性のためのケアと相談支援、②フェミニストカウンセリング相談とケア支援の実際、③子どもへの暴力と親への支援、④DVに曝された子どもと母親へのコンカレント(同時並行)支援、➄子どもへの性暴力とその影響、⑥(公開講座)児童生徒への性暴力防止教育、➆家族の中の暴力(DV・虐待・性暴力)~法律の現場から~、⑧子どもと女性へのメンタルヘルスケア

[活動成果]

2016年12月啓発講座、2017年3月~6月連続8回講座を実施(30名)。受講生の半数以上(17名)が全講座を完了し修了証を授与した。各回平均出席率は86%、アンケート回収率は86.1%。受講生の9割が子どもや女性への支援に携わっており、男性参加者からはDVに対する認識が変わったという声が聴けた。また、フォローアップの希望が高い。結果、ボランティアスタッフ希望4名、実践講座補助スタッフ希望7名を得た。

[工夫したポイント]

①12月講演会の参加者へ連続講座を告知。

②長岡市の広報システムをフル活用(ポータルサイト、Twitter、Facebook、各紙プレスリリース)

③講座は座学とグループワークで展開し学びを深める構成にした。

[活動の反省点]

・12月開催の公開講座…降雪地域であり冬場開催は集客が天候に左右される点を考慮すべきだった。

・5月開催の公開講座…『児童生徒への性暴力防止教育』は事前の問合せがあり公開講座としたが、開催時期と曜日の設定に工夫が必要だった。(運動会や遠足の時期を外す、平日開催にする等)

[今後の課題・展望]

①養成した人材の実践の場の提供→コンカレントプログラムファシリテーターとして登用。

②支援者の資質向上の必要性→フォローアップ講座の開催。

③当事者支援体制の拡充と充実→DV、虐待被害者への個人カウンセリングの提供。

④当事者グループの継続的支援→年間プログラムの開発と人材確保。

  • 弁護士の講義に真剣に耳を傾ける受講生
  • 講義後の話し合いも穏やかな雰囲気で
  • 質疑応答にも熱が入った公開講座の様子
  • グループワークでの活発な話し合い
現在位置は
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