ドコモ・モバイル・サイエンス賞

移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業

Winner / Ceremony

第25回(2026年)

このたび、「第25回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・伊藤元重氏)における厳正かつ公平な審査の結果「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の優秀賞受賞者を決定しましたので発表いたします。

なお、授賞式は10月30日に予定しており、授賞式についても報告いたします。

先端技術部門の受賞記事です

優秀賞次世代移動通信を支える高性能暗号設計・評価基盤の創出

大阪大学大学院 情報科学研究科 教授
五十部 孝典(イソベ タカノリ)氏

授賞理由

五十部氏の研究は、多様な要求条件に応じて、安全性と実装性を両立する世界最高水準の暗号技術を体系的に導出したものである。リアルタイム性を意識した処理構造等が現在の社会的要請に合致している。

また、国際標準化や実利用を進め、次世代通信網の標準技術として定着させることを目指している。特に高く評価されたのは、暗号理論そのものの高度化だけではなく、社会実装を前提に研究を進めている点である。暗号研究では数学的・理論的な解読困難性を追求する研究が多い中で、研究成果の優越性だけでなく、実装・標準化・社会普及までを一体として進めており、社会への貢献がより明確になっている。

基礎科学部門の受賞記事です

優秀賞光学メタサーフェス通信デバイスに関する先導的研究

東京大学 大学院工学系研究科 教授
種村 拓夫(タネムラ タクオ)氏

授賞理由

種村氏は、波長以下の微細なナノ構造によって光の波面を自在に制御する「光メタサーフェス」を光通信分野へ導入し、空間スケーラビリティに優れた光通信デバイスにつながる先駆的成果を挙げた。特に高く評価されたのは、1V以下の駆動電圧で高速動作するアクティブメタサーフェスの実証である。一度製造すると機能が固定されていたメタサーフェスを可変化し、CMOS回路での直接駆動を可能にしたことは実用化への大きなステップである。従来のMEMS等では難しいGbps級の高速変調を実証した点も画期的である。

トップカンファレンスへの採択や多数の招待講演等からも、当該分野における世界的トップランナーと評価できる。

社会科学部門の受賞記事です

優秀賞スマートフォン装着型眼科医療機器・遠隔診療・診断AI・訪問型眼科検診による、世界の失明撲滅に向けたモバイル眼科診療プラットフォームの社会実装

慶應義塾大学医学部眼科学教室 特任講師
株式会社OUI(オーユーアイ)代表取締役、医療法人慶眼会理事長
清水 映輔(シミズ エイスケ)氏

授賞理由

清水氏は、眼科医・診療機器が不足する現場での白内障手術支援経験を基に、スマートフォンのカメラと光源で眼科検査を可能にするSmart Eye Cameraを考案・開発・医療機器化し、撮影画像を安全にクラウドに保存して眼科医が読影するシステムも一体的に開発した。これらにより、離島、途上国、在宅等の環境下でも眼科検査を実施し、専門医の診断、治療紹介へつなげるモバイル眼科診療モデルを構築した。世界34か国での医療機器認証、アフリカ・東南アジア・中南米を中心とする62 か国との共同研究、100本以上のMOU(学術交流協定)、25 万件規模の眼科診断の展開など、国内外での社会実装を精力的に進めている。

新領域へのチャレンジと社会的インパクトは評価に値する。また、モバイル・メディアを活用した医療アクセス格差という社会課題の解決という点で、ドコモ・モバイル・サイエンス賞の趣旨にも合致する。

現在位置は
このページのトップへ戻る