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ドコモ・モバイル・サイエンス賞

移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業

Winner / Ceremony

第17回(2018年)

このたび、「第17回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の受賞者を決定しましたので発表いたします。

なお、10月19日(金)午前11時よりANAインターコンチネンタルホテル東京において、授賞式を開催いたします。

先端技術部門の受賞記事です

優秀賞声のアイデンティティに関する多角的研究

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 准教授
山岸 順一(ヤマギシ ジュンイチ)氏

授賞理由

山岸氏は、従来、数十時間~百時間の大規模なコーパス構築と作業時間が必要とされていた音声合成の分野において、数分程度の少量の音声データから、話者の声のアイデンティティや発話様式を再現できる「声のデジタルクローン技術」を世界で初めて提案し、確立した。

さらに、声を失いかけている障がい者の声の再現や自分の声による音声翻訳、なりすまし攻撃を検知する大規模コーパスの構築、知覚効果に関する科学的知見など、声のアイデンティティに関する独創的で多角的な研究業績は、国際的にも認知され、企業等での産業利用も進んでいる。また、科学的価値のみならず産業的価値も非常に高い。今後も福祉や医療の分野をはじめ、音声翻訳システムなど、多様な分野で大きく貢献することが期待される。

基礎科学部門の受賞記事です

優秀賞フォトニック知能の創造:近接場光及び単一光子を用いた意思決定の物理的実現

国立研究開発法人 情報通信研究機構 ネットワークシステム研究所 総括研究員
成瀬 誠(ナルセ マコト)氏

授賞理由

成瀬氏は、人工知能の重要課題のひとつである「強化学習」を、従来の光情報処理とは異なる、近接場光や単一光子というナノフォトニクス領域や光の素励起で実現することを着想。光情報物理学というオリジナルな研究分野を開拓し、近接場光による物理的な知的機能や、寸法依存性(階層性)の解明とその応用展開など、今後の人工知能において極めて重要となる機能を、世界で初めて物理的に実現した。

実システムへの応用には時間を要すると思われるが、光技術の極限性能を使い果たすことで、従来の情報システムの構造が大きく発展する可能性があり、成瀬氏の成果がこれに貢献することが期待される。

社会科学部門の受賞記事です

奨励賞情報科学による植物との対話に基づく革新的農産物栽培手法創出の研究

静岡大学 学術院情報学領域 教授
峰野 博史 (ミネノ ヒロシ)氏

授賞理由

最新の工業技術力を農業分野に活用して栽培管理システム等の研究開発を続ける欧米諸国に対し、日本では、超高齢化社会の進展に伴い、卓越した生産技術をもつ農家のリタイアや後継者不足による厳しい状況が続いている。

峰野氏は、無線センサネットワークの応用分野として農業ICTに着目し、人工知能技術を含めた情報科学技術を導入。熟練農家をはじめ、農学、植物生理学等の知見を融合して、暗黙知と呼ばれる匠の技の本質を定量化し、形式知化することを目指している。これにより、新規就農者や高齢者でも容易に植物との対話に基づく栽培を実現できる基盤技術の創出が期待される。また、要素技術の幅広い産業応用も期待され、社会的意義は大きい。

奨励賞社会科学と数理科学の融合による社会システムデザイン方法論の研究

株式会社富士通研究所 人工知能研究所 主任研究員
大堀 耕太郎 (オオホリ コウタロウ)氏
株式会社富士通研究所 人工知能研究所 研究員
岩根 秀直氏
株式会社富士通研究所 人工知能研究所 研究員
山根 昇平氏
株式会社富士通研究所 人工知能研究所 研究員
山田 広明氏
株式会社富士通研究所 人工知能研究所 研究員
中尾 悠里氏

授賞理由

大堀氏らは、多様な社会的課題に対し、数理研究者が社会科学的知見を積極的に取り入れつつ数理技術によって解決するという、新たな社会システムデザインの方法論を構築した。

さまざまな問題関与者を含む社会的課題は、その問題構造の複雑さから、技術だけでの開発が困難な場合も多く、最先端のAI技術を開発しても社会実装に至らないケースが見受けられる。

応募業績は、保育所入所支援や都市混雑緩和、移住定住支援などの具体的な社会課題に取り組み、実現場での問題発見から数理技術による対策・評価への過程を実証することで、社会受容性の高いシステムの設計に成功した点が高く評価できる。

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