活動報告Activity Report
活動報告
201904/03
2017年度(アジア諸国からの留学生):卒業後の進路と今後の抱負
- 奨学生一覧
私の夢に一歩近づきました
名前:金智姫さん
大学:北海道大学
国籍:韓国
日本に留学したことで、日本の職人精神やものづくりに対する姿勢などを学ぶことができました。それで、2019年3月に北海道大学の工学院を修了した後、さらに日本で今まで身につけたことを活かすため、4月からは日本の企業で働く予定です。
大学院ではロボットビジョンに関するものに関わったのですが、これからは、さらにそれを発展させて色々な分野でロボットや人々を支えるもの作りに取り組んでいきたいと思っています。そのために、社会人になっても、仕事はもちろん、続けて勉学に励んでいきます。日本でキャリアを積んで、何年か後には、海外勤務を申請して、また新しいキャリアを積んでいきたいと思っています。将来は、日本だけではなく、世界で活躍する人になって、国際社会に貢献したいです。
日本への留学を決めた理由は、ロボットで人々を幸せにするためでした。この7年半の留学で、知見が広がり、私の夢に一歩近づいたと思います。社会人になっても7年半前に初めて日本で留学を始めたときの心がけを忘れずに、人々を幸せにするもの作りをやっていきます。
学生とはまた異なる道を歩いて行くことを考えると、不安と期待で胸いっぱいです。留学の時も、色々大変なことがありましたが、今までのように、失敗しても挫折せずにうまく乗り越えると思います。
安心して学業に専念できました
名前:グエン ビェット バオさん
大学:北海道大学
国籍:ベトナム
この度は、2017年4月より、JEES・ドコモ留学生奨学金に採用していただき、誠にありがとうございます。JEES・ドコモ留学生奨学金のおかげで、学校の授業料と生活費の負担を減らすことが出来、安心して学業に専念することが出来ました。心から感謝いたします。
私は現在、北海道大学大学院情報科学研究科修士課程に所属し、スピントロニクス分野の勉学を行うとともに、修了研究として高速性、省エネルギー性に優れた次世代の磁気ランダムアクセスメモリー(MRAM)素子の研究に取り組んでいます。磁気メモリーは磁性体の磁化の向きを変化させることでデバイス機能が発現します。そのため、高速かつ低消費電力な磁化制御手法の確立は主要な研究課題の一つであります。私の研究では磁化反転技術として、重金属で生成したスピン流を用いたスピン軌道トルク(SOT)磁化反転を用いました。二年間の間で垂直磁化膜に対しするSOT磁化制御手法を確立し、磁化反転に必要な電流密度が由来より一桁下げることが出来ました。この成果は高速かつ低消費電力なMRAM素子の開発に貢献することが出来ます。
北海道大学を修了後、日本で情報エレクトロニクス分野の仕事に携わります。これまで学んできた知識や成し遂げた研究成果をいかし、高速性、省エネルギー性を兼ね備えた新メモリーを開発したいと考えております。その夢を実現するためには、これからメモリーについてより多く知識を習得する必要があります。
そして将来はベトナムに帰り、母国で通信分野の会社に勤め、様々なプロジェクトに参加することで、日本で培った通信技術のベトナム社会への応用を目指しつつ、日本で実感した働く日本人の姿勢、仕事に対する態度や哲学など倫理的な事柄も母国の職場にも普及させたいと思います。その際は、エンジニアの一人としてだけではなく、将来日本とベトナムとの良好な友好関係の架け橋となって活躍していきたいと考えております。
最後に今回JEES・ドコモ留学生奨学金のご支援を賜りましたことを重ねて御礼申し上げます。
将来は研究者を育成する教員になりたい
名前:Ganbold Unganbayarさん
大学:岩手大学
国籍:モンゴル
JEES・ドコモ留学生奨学金をいただき心より感謝を申し上げます。お陰様で、勉学に打ち込めることができまして、卒業に向け卒業研究に勤しんでいるところであります。
現在、私はデザイン・メディア工学専攻の修士2年生に在籍しております。卒業後は博士課程へ進学し、将来は才能ある若手研究者たちの能力を高めることができるような教員になりたいと考えております。そのため、グローバルに活躍できる高度な研究者の育成を目指すグローバル研究者育成プログラムを履修しております。博士課程では在学中に取り組んだ研究をさらに詳しく進めて、最近急成長している人工知能、機械学習についての研究をしたいと思っているため、修士の必修科目はもちろんのこと、機械学習のベースである遺伝的アルゴリズムの研究をやっております。
将来的には機械学習に基づく技術が様々なアプリケーションに利用されると予想されるため、博士修了後には日本とモンゴルの研究共同で行い様々な成果を得ることで、モンゴルの科学と若手研究者の発展に貢献したいと思っています。
主体的に学び、経験を積んでいきたい
名前:尤 天羽さん
大学:埼玉大学
国籍:中国
私は幼少期から、電話やコンピュータなどの電子製品に興味を持ち、将来は電気電子技術者になる夢を持っています。電気・電子に関する専門知識を求めるため、高校生の時は理科を選択し、大学は工学系の電気電子工学を専攻しました。そして、日本の先進技術に魅了され、大学を卒業後、約一年の準備をかけて、埼玉大学の理工学研究科に進学しました。今は「マイクロ波フィルタ」に関する研究を取り込んでいます。卒業後、凸版印刷さんから内定をいただいたので、2019年4月に入社する予定です。主に制御用機器などの設計・製造、通信・情報システムや映像・音響機器の設計などに従事すると思います。
今後の抱負は「主体的に技術の経験を積んでいく」ということです。今日、電気電子分野では日進月歩または秒進分歩で進歩しており、将来的には大きな可能性を秘めています。また、企業間の先端技術の開発競争が、国内外を問わず激しさが増しているため、学校で学んだ基礎知識をつなげて新たな知識を生み出したり、新たな学びを展開したりしないとこれからの社会を生き抜けないと思います。ですので、今後は授けられた知識を一方的に受け取るのではなく、技術者として主体的に学びを展開し、経験を積んでいきたいと思います。
母国でICTシステムをサポートしたい
名前:BATAJOO AMITさん
大学:信州大学
国籍:ネパール
大学院修了後、ソフトウェア開発者として富士通株式会社で働き始めることになりました。日本での生活と日本語を学ぶことが面白いので、ここ日本で働き続けるつもりです。富士通株式会社で働くほかに、将来、ネパールで情報通信技術(ICT)のシステムをサポートしたいと考えています。具体的には、私は田舎の学校に通う子供たちに、オンライン上における無料のICTの教育システムを開発したいです。このプラットフォームを使うことで、子供たちがICTの知識レベルを向上させることができ、技能を磨くことができると思います。このことは、地方と都会との教育格差を縮めることができます。
これらの私の夢のために、今まで奨学金を給付してくださったJEES・ドコモ留学生奨学金に心より御礼を申し上げます。そのおかげで、日本国内外の会議に参加し、調査結果を発表する機会を得ました。また、論文を会議の冊子に載せることもできました。発展途上国出身であるので、経済的なサポートなしには研究を続けることはできませんでした。これからも、日本とネパールの社会に貢献できるように頑張っていきます。本当にありがとうございました。
モンゴルと日本の経済を結ぶ架け橋になりたい
名前:Ganzorig Badmaanyambuuさん
大学:新潟大学大学院
国籍:モンゴル
モンゴル出身のガンゾリグ ・バダマーニャンボーと申します。私は新潟大学大学院の自然科学研究科に所属しています。現在は、通信デバイスをユーザが持ち運ぶことを利用して基地局がなくても通信可能なエピデミック通信の研究を行っています。その通信方式は災害やシステム障害時にとても有効だと言われています。
私の夢は母国モンゴルで情報通信企業を設立し、その企業を通じてモンゴルと日本の経済を結ぶ架け橋になることです。具体的には、設立した情報通信企業に日本から優秀な情報通信の専門家を招聘し、モンゴルでの情報通信の専門者を育成したいです。また、モンゴルからは日本の情報通信企業に人材派遣をするなど両国に利益がでるようにしたいです。
このような情報通信企業を設立するために自分の情報通信に関する知識が高くなければならないと思います。そのため、卒業後は直接国に帰らず、しばらく日本の情報通信企業で働くことを決意しました。日本企業で働く際、大学で学んだことを活かしながら情報通信に関する知識や能力をもっと高めたいと考えます。
第一線で働くことが目標です
名前:楊 小鳳さん
大学:電気通信大学
国籍:中国
私は大学院を修了した後、電子部品の設計開発エンジニアとして、株式会社村田製作所に就職することになりました。私は子供の時、テレビゲームが好きでした。どうしてこんなに小さい箱の中にゲームが入っているのか不思議で、開けてみると、小さい緑の板の上にたくさんの銀色の点が付いていました。きれいで面白いと思いました。私は機械の細かい部品に興味があります。日本は最先端の技術を持ち、多くの魅力的な製品を作ってきましたが、それは多くの精密な部品があってこそ初めて可能になります。私は先進的な技術を学び、日常生活を支え、人に役に立つ、高性能な「ものづくり」が将来、自分でもできるようになりたいと思って、日本に留学しました。
現在、大学院で電子工学を専攻し、電子回路設計知識を学んでいます。そして、大学院を修了したら、学んだ知識を生かして、日本のメーカーに就職し、「ものづくり」に自分もチャレンジしてみたいです。テレビ、パソコン、携帯電話から自動車まで、より便利に、より高性能に進化し続けるためには、電子部品の小型化技術、高密度実装技術が必要不可欠です。そうした電子部品の設計開発の仕事に就いて、第一線で働くことが私の夢であり、目標です。
人と人をつなぐ研究で社会貢献
名前:HWANG DONG HYUNさん
大学:東京工業大学
国籍:韓国
4月の舞い散る桜を見て入学した時から一瞬の時間が流れ、今は修士課程修了を準備しています。私はこの2年間、JEES・ドコモ留学生奨学金の支援を受けながら、学業だけではなく、勉強会の参加、国際学会での論文発表や学生ボランティアの参加など、さまざまな学術、文化活動に参加することができました。
また、このような活動を通じて、日本と様々な国から来た研究者と交流し、議論しながら研究の深さを加えるだけでなく、それぞれの国の文化を理解し、複数の国の友達と付き合うことができる機会を持つことができました。
最初は、修士課程を最後に学業を終え、就職する計画でしたが、今では深みのある研究者に成長するため、同じ大学の博士課程に進学する予定です。 博士課程は、一人の学者として単独で立つことができる独立した研究者になる道であるため、容易ではありません。 しかし、先進的な研究を行うR&Dセンターで自主的な研究者として働きたい僕にとって必ず経なければならない過程でもあります。僕は修士課程を終えた後でも、今の誓いを忘れずに着実に努力して博士課程を修了することができるように最善を尽くしています。 博士課程後はR&Dセンターに入って人とコンピュータ、そして人と人をつなぐ研究を行い、世界のすべての人と人が活発につながるようにし、社会に貢献したいです。
僕がこういう夢を持つことができるようになったのは、JEES・ドコモ留学生奨学金の支援が本当に大きかったです。支援の下で、僕は学業と研究に集中することができて、僕の進路について具体的な計画を立てることができました。奨学生としていることが、僕にとっては本当に大切な機会、そして経験だったと思います。僕の人生に大きな変化を与えたJEES・ドコモ留学生奨学金に深い感謝の気持ちを伝えたいと思います。
できる社会人になる!
名前:カンカーナムゲ ビラージ ラクマール マララセーカラさん
大学:東京農工大学
国籍:スリランカ
2019年3月に東京農工大学・大学院を卒業後、富士通株式会社に入社することが決まりました。
私の社会人としての抱負は、「できる社会人になる」ことです。社会人として仕事と生活を含めて考えました。学生生活では、おそらくこれから半年の間は、学生から社会人への切り替えを考え行動することで精一杯になると思います。学生時代の研究を通して得た経験で仕事内容を理解するためにも、疑問に思ったことはその日のうちに解決できるようにしたいです。またその後も、自分からとりかかる、頼まれることが次第に増え、期間内に終わらせなければならないことが多くなると思います。そのような時にも、自分で優先順位をつけて、できるだけ次の日に持ち越さないようにしたいと思います。生活の面でも社会人として自分で生活することになるので、健康管理や時間を有効に使うためにも、必要なことだと思います。仕事と生活において、これから社会人として有意義に時間を使いたいです。日本の会社に所属しながらもグローバル人材として先進技術発展を担う人材になるために行動します。
JEES・ドコモ留学生奨学金の奨学生として選んで頂いたため、アルバイトなどを考えずに学業に集中でき研究を進めることが可能になり、学外活動にも積極的に参加できました。現在日本が抱えている「人手不足」問題の一つの解決策として考えられている技能実習制度に私は取組むことで、今まで実現出来ずにいた関係するスリランカの機関と日本の事業協同組合との契約を結ぶことにつながりました。そして、スリランカに行き、セミナー・大臣とミーティングを行いスリランカから日本に技能実習生を送るシステムを実行させました。現在、第一段階としてスリランカから技能実習生270人を日本に受け入れることが決まっています。国費留学生としてスタートして現在JEES・ドコモ留学生奨学金の奨学生として学業以外の時間も効率的に使ったことで若者に仕事がなくて困っているスリランカに少しでも恩返しができたと思います。また、第一母国と同じである日本の社会が抱えている問題を少しでも解決するために学生時代から関わることできたという嬉しさも心のなかで持っています。
奨学金とは教育をサポートする制度であることは間違いありませんが、私は奨学金を受給し、勉強するだけではもったいないと思います。JEES・ドコモ留学生奨学金とともに歩みながら限りない可能性の道にチャレンジしているからこそ学生として逞しくなれたと思います。
技術者として活躍したい
名前:HA HUU HUNGさん
大学:岐阜大学
国籍:ベトナム
私は、岐阜大学大学院自然科学技術研究科の知能理工学専攻・知能機械領域にて勉強しております。修士課程修了まで残り2か月となりましたが、私は母国ベトナムには帰らず日本で就職することを決意しました。昨年は勉学と研究に励みながら、国内の就職活動にも参加した結果、専門である知能理工工学や電気電子工学を融合したメカトロニクスの知識を活かせるグローバル企業より内々定を頂きましたので、4月から技術者として活躍していきたいと考えます。
本学大学院に進学して以来、JEES・ドコモ留学生奨学金よりご支援を頂いたおかげで、充実した学生生活を送ることができただけでなく、学業や研究に力を注ぐことができ、母国の大学(ハノイ工科大学)公式サイトや日本フルードパワーシステム学会誌(JOURNAL OF THE JAPAN FLUID POWER SYSTEM SOCIETY)に私の論文が掲載されました。また、昨年の夏、日越外交関係の向上を趣旨として、日本及びベトナムのテレビジョン放送局が共同主催した番組からのテレビ出演オファーを頂き、ベトナムで放送されることになりました。このことから、私は日本滞在中、知能理工学の専門分野や語学力を磨くことができた上、毎日楽しい日々を送ることができました。これもひとえにJEES・ドコモ留学生奨学金からのご支援の賜物と、心より感謝しております。
今後も日本の企業で貢献しながら、引き続きJEES・ドコモ留学生奨学金受給者一員として地域の課外活動に参加し、さらに様々な国々の伝統的文化等を理解したいと思います。そういった貴重な経験を活かし、日本をはじめとする諸外国とベトナムを繋ぐ架け橋となっていきたいと思います。
自動車の知能化技術を普及させたい
名前:盛 元さん
大学:名古屋大学
国籍:中国
この度は、JEES・ドコモ留学生奨学金に採用していただき、誠にありがとうございます。おかげさまで安心して学業に集中し、有意義な大学生活を送ることができました。大変感謝しております。
私は、信号処理や機械学習などの情報処理技術に関心を抱き、情報学研究科にてドライバ支援システムの快適化に関する研究に取り組んでいます。様々なセンサーにより、ドライバの運転行動データを取得するのが簡単になった現在、如何にそのデータを有効に活用するかが課題となっています。私の研究では、ドライバ個人の特徴や性格を考慮した、心地よい運転支援を提供することを目指しています。卒業後にも、修士課程で学んだ知識とスキルを活かし、自動車の知能化技術に携わりたいと思い、関東にある自動車部品メーカーに就職することに決めました。
就職先でソフトウェアエンジニアとして、先進運転支援システムを提供することで、安全かつ快適なクルマ社会を実現したいと思っています。私の出身地中国では、交通インフラの不足や交通ルールを守らない人が多いことが原因で、交通事故が多発しています。先進国においても、運転環境が改善されたものの、長時間の移動や通勤中の渋滞では運転が楽しくないと思う人もたくさんいます。そのため、私は人々に安全かつ快適な運転を楽しんでいただきたいという夢があります。安全かつ快適なクルマ社会を実現するためには、事故を未然に防ぐことだけではなく、情報通信による※コネクテッドカー技術も不可欠だと思います。車と車、車とインフラの間で情報を共有することで、車が交通状況を事前に受け取ることが可能になり、交通管理も容易になります。また、自動車の知能化技術を世界中に普及させることも私の理想です。留学の経験や英語能力を活かしながら、日本とアジア地域の提携に積極的に参加し、各国のクルマ社会の改善に全力を尽くしたいと思います。
母国と日本を支える社会の一員に!
名前:AHMAD SYAHIR BIN AZIZさん
大学:豊橋技術科学大学
国籍:マレーシア
豊橋技術科学大学に在学しているシャヒルと申します。2019年の3月に修士前期課程を修了し、母国であるマレーシアに帰国する予定です。マレーシアでの就職活動は日本と異なり大学の卒業後に始めるのが一般的であるため、帰国後に現地での面接などを受け、就職先を決めようと考えています。私は現在、視覚認知情報学・認知神経工学研究室に所属しており、人間の視覚を支えている脳機能や仕組みを解明するとともに、新しい視覚情報処理技術の開発に取り組んでいます。具体的な例を挙げますと、この研究室では、人間の視覚に関する知識をもとに、農業における生産物の選別や品質コントロール用の光源デバイスの設計や、病院用の血管検出と歯石の検出用の光源などを設計しており、実際の現場に役立っている技術を発明しております。帰国後でも、本研究室で学んできた様々な専門的知識や技術を生かしたいと考え、視覚・光学技術を専門としている企業を中心に研究者・技術者を目指したいと考えています。また、可能であれば長年身につけてきた日本語も生かし、日本企業、あるいは日本語が日常的に使用される職場環境も就職先として考慮したいと考えています。こうすることで、マレーシアと日本の両国を支える社会の一員になれればと思い、これからもいろいろ頑張っていきたいと思います。
ITで農業に変革を
名前:Chen Pei Haoさん
大学:大阪大学
国籍:台湾
私には夢があります。それはIT技術で農業に変革をもたらすことです。私の実家は台湾で農業をしていますが、今の台湾には若者の農業人口が少ないという問題があります。これは農業のノウハウを伝えるのが簡単ではないからだと考えています。そこで管理システムによって農業をデータ化し、制御することで品質をコントロールできるようにします。水、温度、湿度などの情報と品質への影響をデータベース化できれば、これは従来の農業ノウハウを数値化することであり、共有も簡単になります。多くの農家にシステムを利用してもらい膨大なデータが収集できれば、データマイニングでさらなる品質の向上も期待できます。将来これに取り組むために私は大学院修了後後、日本企業で働き、2つの目標を定めています。
1つ目はコミュニケーション能力を高めることです。IT技術で問題解決に取り組んだ経験はありますが、チームでこれに取り組んだ経験があまりありません。しかし、より大きく複雑な問題に取り組むには、違う背景の人の違う視点の意見を取り入れる必要があります。私はそのチームでの問題解決を学び、チームを成功させるコミュニケーション能力を日本の会社で身につけたいと考えています。
2つ目はIT技術の応用力を身につけることです。最先端のIT技術についてはこれまで授業やMooc(Massive Open Online Course)などで学んできましたが、その応用経験はほとんどありません。なので私は日本に就職してIT技術の知識をさらに深め、応用力を身につけたいと考えています。
博士課程で研究をより深めていく
名前:洪 文甲さん
大学:関西大学
国籍:中国
2019年3月に博士前期課程(修士)が修了した後、関西大学大学院総合情報学研究科堀井研究室の博士後期課程に進学することが決まっている。博士後期課程を修了した後、続けてこれまでの研究をより深めて行くため、大学、または研究所に勤めたいと考えている。残念ながら中国の学術環境は短期的に利益を得ることが重視されており、純粋な興味だけで研究を進められる環境にはない。中国の学術環境と比較すると、もっと自由度が高く、自分の興味次第で研究を大いに拡大できる環境で勤めたい。そのような点で、日本の大学、または研究所に勤めたいと思っている。
中国人留学生として既に日本で7年間勉強をしてきた。特に大学院に進学して以来、両国の学術会議に参加し、日本と中国の学術環境の違いを十分に体験した。中国の場合、人口の基数が多く、極めて多くの研究者、様々なアイデア、研究テーマが分散して存在している。しかし、開発途上国として研究支援が足りないところがまだたくさん残っているため、研究を進める際、短期利益、特に研究成果が儲かるかどうかを重視する傾向が強い。
一方、日本の場合、1つの研究テーマに多くの研究者が集まって特性の改善を目指す傾向があるものの、斬新なアイデアが生まれにくいように思う。日本では多くの研究者が優れている上に、更に磨きをかけるような匠の精神を持ち、研究を進めていくことができる。私は研究者として英語の文献だけではなく、日本語と中国語の文献をも自由に閲覧できることから、「金の卵」となるような貴重なアイデアをいち早く発見し、これを日本の学術環境の中で育てることで、人類の工学的、医学的発展に寄与して行きたいと考えている。
世界に貢献できる人材として成長したい
名前:朴 炳宣さん
大学:関西大学大学院
国籍:韓国
現在私は、Web上の情報からユーザに適した情報を抽出・提示を模索する「情報編纂」の分野で研究を進めています。さらに具体的に言えば、コミック(漫画)に関連するインターネット上の情報(例えば、レビューや表紙)から、コミックの特徴を抽出し、ユーザに提示することで読んだことがない様々なコミックの中から自分が読みたいと思えるコミックに出会えるためのシステムを製作しました。JEES・ドコモ留学生奨学金のご支援をいただいたお陰で、私は2年間研究活動に没頭することが可能となり、国内と海外の学会発表での登壇や論文誌の掲載を多数達成することができました。
こうやって研究や自分の成長を進め、私はこれから、システムエンジニアとして勤めることとなりました。今後勤めるのは、インターネット上のコミュニケーションに関するサービスを扱う企業です。近年インターネットは人々の距離を日々縮め、今となっては常に人々はインターネットから情報を求めたり自分から発信したりしています。私は、システムエンジニアとして、これまでの研究活動の成果を活かしていくことで、インターネットに溢れている情報をより人のために役に立てるものとするために尽力したいと思っております。
今後私は、インターネットやコミュニケーションに深く関わっていらっしゃる貴法人の奨学生として、人のために情報とそのコミュニケーションについて深く考え、母国や日本だけではなく世界に貢献できる人材として成長したいと思います。
安全で快適な自動車の開発が夢
名前:VU MINH HIENさん
大学:徳島大学
国籍:ベトナム
私は母国ベトナムの大学を卒業した後、2016年4月に来日し、日本語を1年間勉強して、2017年4月から徳島大学先端技術科学教育部博士前期課程システム創生工学専攻に入学しました。現在は、自動車の安全に関する研究をしており、2019年3月に卒業見込みです。
私は卒業後,日本の自動車に関する会社で働きたいと思っています。会社では仕事を通して学びながら成長し、新しい技術の研究・開発を行いたいです。通常なら、勉強することは学校を卒業すれば終わり、その後は会社で仕事して給料を頂くというイメージがありますが、世界は毎日変わっていき、卒業まで勉強してきた知識はすぐに古くなるので、私は会社に入っても毎日勉強し続けることが重要だと考えています。私は技術者の使命とは社会に役立てられるものを開発することだと思っています。そのためには毎日の仕事を通して新しいことを学び続けなければなりません。また、せっかく日本の大学を卒業するのですから、日本の企業で働きたいと考えています。
私の夢は「世界中すべての人に、安全・快適な自動車を開発すること」です。私の母国ベトナムの国家交通安全課によると、2017年は交通事故で8279人が死亡しました。言い換えますと、ベトナムでは一時間に一人くらいが交通事故で亡くなっています。また、交通事故の負傷者の多くは働き続けることができず、経済的な負担だけではなく、精神的な負担を家族に強いている現状があります。その悲しくて信じられない事実を技術で変えていきたいです。毎日の新聞で交通事故の記事を見ることがなくなるように、安全・安心・快適な自動車づくりに貢献したいと考えています。それが私の夢です。
モンゴルの科学進歩に貢献したい
名前:アタルサイハン ガントゥグスさん
大学:九州大学
国籍:モンゴル
私の夢は、母国であるモンゴル国で情報学を世界最先端に研究する研究所を作ることです。なぜなら、モンゴル国を発展させるには科学や教育の進歩が欠かせないと思っているからです。現在モンゴル国では、情報学で高度な研究が行われておらず、他の国より遅れています。ですので、研究所を作ってモンゴル国の科学進歩に貢献するのが自分の目標です。
そのためには、自分自身が情報科学によって最先端に立つ研究者である必要があります。この目標を達成するために、修士課程修了後は博士課程に進学し、研究活動を続けるつもりです。博士課程が終わったら日本国内の研究所又は大学で研究員として働くように考えています。日本は技術が進んだ国ですので、高度な研究に関わりたくさんの経験を積みたいと思います。
十分な経験を積み世界トップ研究者になったら帰国するつもりです。まずは、母国の大学で教授になるまで働きます。そして、数年間大学の先生をしましたら、世界と戦えるような研究所を作ります。
中国と世界の架け橋に
名前:高 洪ミョウさん
大学:九州大学
国籍:中国
私は卒業後、マイクロンメモリジャパンへの就職が決まった。本社はアメリカにあり、メモリ半導体のことを研究開発する会社である。現在の修士論文テーマは半導体プロセスに関する研究で、半導体の事情がよくわかり、未来の可能性が無限大だと感じている。また、グローバル企業なので、世界各地で働くチャンスがあり、様々な文化が体験できる。従って、就職時に、この会社を志望し、入社することに決まった。
現代社会はスマートホーム、自動運転などの発展につれ、さらなる高速・低消費電力なトランジスタが求められている。トランジスタは7nmの時代に入っているが、極端に微細化に進んだ結果、さらなる高性能化が限界に直面している。従って、ポスト微細化の技術が今どんどん求められている。私は将来会社に入って、最先端な技術と携わり、自分が勉強したことを生かして、半導体性能を向上させて、技術進化に貢献したいと思ってる。また、将来日本から全世界の電子デバイス事業にも支えたいと考えられる。アメリカの本社で研究開発をすることや、発展途上国の技術のサポートなど、自分の経験を豊富する上に、世界各地の人と一緒に働きたい。世界人々の生活をより便利に、楽しくしたいと思っている。また、中国人として、母国の中国と日本や韓国、アメリカなどの交流の架橋になって、ともに発展できるように貢献したい。